NEM Japan インタビュー シリーズ #2:God Tanu | ブロックチェーン&日本刀
NEM Japan インタビュー シリーズ #2:God Tanu | ブロックチェーン&日本刀
NEM Japanコミュニティーの代表的な存在であるGod Tanu氏(以下タヌさん)をお招きし、NEM Japanテレグラムで話題になりました、日本刀の鑑定についてお話をお聞きしました。
先日タヌさんが日本刀コレクターだと言う情報を入手したので、即日タヌさんにご連絡してみるとなんとご祖先様から日本刀を数本、受け継がれ現在保有されていると言う事でした。
日本刀の鑑定は非常に難しく、偽物が多く出回っています。そこで日本刀の鑑定書の登録に、NEMの公証システムを使う事で本物が証明されるのではないかとコミュニティーで話題になり、Atomos-Seed社の後藤氏とOpening Line社のDaoka氏がNEM アポスティーユによる公証が活用できるのではないかとディスカッションが開始されたそうです。
日本刀以外にもタヌさんには色々とお聞きしたいことは山ほどありますが、今回はタヌさんが受け継がれた日本刀の鑑定状況や鑑定書の保管について、またブロックチェーンに鑑定書の保管が可能となった場合、日本刀マーケットがどう変化するかなどお話を伺いました。
NEM Japan: 新しくNEMコミュニティーに参加された方も多いので、タヌさんの自己紹介をお願いします。
God Tanu: そこら辺の居酒屋でTVのニュースに向かってクダを巻きながら一人で飲んでいる感じの、日本に多数生息している感じのおじさんです。よろしくお願いします。
NEM Japan: 宜しくお願いします。タヌさんがNEM に関わり始めたのはいつ頃ですか?
God Tanu: NEMに関わり始めたのは当時は日本語の情報が殆どなかったので自分のために情報を集めたり発信していた事がきっかけです。
その後、TB社のmijinの公式サイトがmijinとは別にパブリックのNEM用の日本語フォーラムを用意してくれたので(今は無いです)そこに情報をまとめていたらモデレータに任命され、そこでのスパム削除スキルを買われてNEMの日本語テレグラムチャンネルのadminもやらせてもらいました。
先ほど「コミュニティーの代表的な存在」とおっしゃられていましたが、私はコミュニティ活動を特に意識しているわけではなく、情報を自分のためにメモする事とスパムの削除をしている一人のNEM好きなおっさんとして皆様とお付き合いしていきたいと考えております。
なお、最近では優秀な方がどんどん情報をまとめてくださっていますし、皆さんが情報もどんどん翻訳してますし、技術者の皆さんも記事を書いてくれたり普及活動をしてくれたりするのでもうスパムの削除しかしていません。もう私にはスパムを削除する事以外の貢献はできません。
スパムが来たら「お!また来た!消してやったぜこのクソスパマーめ!ざまぁみろ!」ぐらいの気持ちで全力で消しています。もう私にはスパムしかありません。スパムしかないんです。私とNEMコミュニティの皆さんを繋ぐ唯一の接点がスパムです。
NEM Japan: スパムを削除するのはとても重要な役割だと思います(笑)いつもNEM Japan テレグラムを守ってくださり有難うございます(笑)タヌさんは、とても長くNEMにコミットされてますが、NEMの魅力を教えてください。
God Tanu: まず、お手軽にネットワークに貢献できるPoIのハーベスティングが一番魅力的ですね。PoWやPoSなどの場合、とてもじゃないですが資本金や技術力、知識なんかが必要になります。
この文を読んでいるような人はもうご存じだと思いますが、NEMの場合、10000XEMの保有さえできれば誰でも簡単に貢献でき、さらに手数料の報酬も得ることができます。
私にはPoSで報酬を得るほどの大金も、PoWのマイニング環境も、知識もありません。マイニングやステーキングなんかの報酬を得る事とは程遠い人生を歩んでいました。
ですが、初めてNEMのハーベスティングを試した際にブロック報酬を貰うことができ(といっても空ブロックばかりでかなり時間はかかりましたが)とても感動した記憶があります。
この世の中、何事にも不平等や不公平といった言葉は無限に出てくると思いますが、よく、NEMの仕組みを「平等だ」という声があります。ですが、私は特に平等だと感じたことはありません。
平等ではなく「貧乏人にも報酬を得るチャンスがある」のがNEMです。チャンスが0か1かの差は大きいです。
NEM Japan: そうですね。その特徴がNEMの人気に繋がった理由でもありますね。
God Tanu: また、NEMはこの分野では珍しく送受金などの「活動」が評価対象になるプロトコルです。
現状のNEMではあまり感じられないのですがSymbolになった後はPoS+になりもっと活動が評価されやすくなるはずです。より貧乏人に優しくなる感じがします。
特に、いわゆる「エンジョイ勢」の皆さんは頻繁にXEMを投げ合っています。そこも評価に繋がるとうれしいですね。
NEM Japan: 「貧乏人にも報酬を得るチャンスがある」と言うのはとても分かりやすい説明なのと、とても良いお話で感動しました。どうも有り難うございます。
それでは、今回お題の日本刀について教えてください。タヌさんは日本刀をご先祖様から受け継がれましたが、タヌ様は貴族なのでしょうか?!
God Tanu: 先祖もタヌキです。
NEM Japan: そうですよね(笑)なぜタヌキなのかお聞きしたいところですが、本題に戻ります。
タヌさんの保有していらっしゃる刀はいつの時代の物かその歴史など詳しい内容はご存知でしょうか?
新しい現代刀と古い刀で別れるそうですが、タヌさんが保有されているのはどちらですか?
God Tanu:受け継いだ物ですので正直あまり詳しくありません。
大小数本所有していますが、現代刀というか無銘の試し切りしまくった刃こぼれアリの刀があります。
昔から「これは大した価値がない」と言われていたので雑に扱っていますが現代刀の類なのかなぁとは思いますが詳しく知りません。所有しているだけで愛好家ではないんです。せっかくインタビューしてもらったのに申し訳ないです。
NEM Japan: いえいえ、刀を保有されている方はあまりいらっしゃらないので、リアルなご意見は非常に参考になります。
現在タヌさんが保有されている刀には、鑑定書はついてますか?鑑定書の偽物も多いようですが、どのような事を気にされていますか?
この先、鑑定書が全てブロックチェーンに刻み込まれる事になるとどのように日本刀マーケットは変化すると思われますか?
God Tanu: 鑑定書という物は無いですね。銃砲刀剣類登録証ぐらいです。購入する場合は鑑定書があると多少は安心できるかもしれません。なんせ刀剣の歴史は長いので今でも未登録になっている刀剣もこの世には無数にあるでしょうし。実際に今でも刀剣が物置などから発見されるケースも珍しくなく、その場合は警察に届け出る必要があります。
あまり詳しくないのですが、刀剣業界はデジタルとはあまり関りが無いイメージがあります。
仮に刀剣の鑑定書がブロックチェーン技術で保存されたとしても刀剣自体の方がこの先何百年も長生きするような性質がありますので、あくまでも売買時の参考程度に留まるのではないかと。また、その鑑定書も権威ある団体の正式なものにする必要があります。
データのメンテもその団体の責任で運用するべきでそれ以外の取り組みの場合は骨董屋の親父のお墨付き程度にしかならないかな、と。
ですので「この先、すべての鑑定書が全てブロックチェーンに刻み込まれる事になると」というご質問ですが、刀に関してはそんな事にはならないと思います!この世に登録が必要な刀剣が多すぎるのも難易度が高いです。
NEM Japan: 率直なご意見どうも有り難うございます。
今ではアートの流通や評価のインフラとしてもブロックチェーンが使用されています。
タヌさんは日本刀以外にもご先祖様から受け継がれた物はありますでしょうか?もしあれば、そちらには鑑定書などはついてますでしょうか。
God Tanu: まず、受け継いだものは刀剣以外にろくなものは残っていません。残念!ブロックチェーンは真贋の証明に適しているというより所有者の移転などの履歴を残すことに適しているような気がします。
しかも、既存のものよりこれから新しく生み出されるものに適しているのではないかな、と。すでに散らばっているものを今更管理するのはとても大変だと思います。
とはいえ、これから発行する「鑑定書」には適用できるとは思います。もちろん時代の流れとして「鑑定書」自体のデジタル化は当たり前になっていくとは思います。紙より楽ですし。紙も紙で良いですけど。
いずれにせよデジタル化というかネットの海に痕跡を残せればいろいろ便利ですね。紛失しにくいので。
NEM Japan: そうですね!多くのご意見とても参考になり、ブロックチェーンの活用法をまた考える機会になりました。有り難うございます。
最後になりますが、待望の Symbol (旧Catapult) がローンチ間近となりますが、今のお気持ちを聞かせてください。
God Tanu:クリプト界のサグラダ・ファミリアと揶揄されていたカタパルトのローンチがようやく現実味を帯びてきました。正直、期待と不安が入り混じっております。
3.4年前から念仏のようにカタパルトカタパルトと唱えてきました。念仏を唱えている間に暗号通貨のバブルが発生したり、伝染病で世界の常識が変わったり、個人的にも家族が何人か増えたり減ったりまた増えたり、色々な事がありました。
Symbolというネーミングには今でも戸惑うところですが、Symbolのローンチはゴールではなく、ようやくスタートラインに立つんだぜという意味だと思っております。
今までゴタゴタは色々あったようですがコアデべをはじめプロジェクトに貢献してきた人全員に感謝しています。最初なのでまだゴタゴタすると思いますが、無事乗り越えて安定したプラットフォームになる事を祈ってます。
NEM Japan: 3-4年の歴史は非常に長いですね。今後、ブロックチェーン業界において、Symbolはどのようなポジショニングを取る事を期待されてますか?
God Tanu: 昨今いくつかのプロジェクトが力尽きたりして、これからどのブロックチェーンが覇権を握るか!みたいな論調が多いのですが、ブロックチェーンの仕組みはノードなどの分散化が肝なのにブロックチェーンプラットフォーム自体が分散しないのは矛盾しています。
色々なチェーンがそれぞれ独自に発展し、最終的にはプラットフォーム同士が横に繋がって相互に発展していくのがブロックチェーン技術を壮大に活用できる社会だと思います。
パブリックチェーンという名前でも現時点ではLANのネットワーク内のようになっていて村社会になっています。WAN側に繋いで必要に応じてやり取りできなければお山の大将にしかなれません。
その点、Symbolはパブリックチェーンとプライベートチェーンのやりとりが非常に簡単に実現可能なので「村」レベルから「国」レベルぐらいまですぐにチェーン同士の繋がりを発展させられると思います。
いつかその「国」とほかの「国」もボーダレスに繋がるような、そんな便利な社会になると良いなぁと思っています。もっと身近なものにどんどん採用されて、ヲタク以外にも開かれたものがたくさん出てくると嬉しいですね。
それと、NEMはNEMで枯れた技術といいますか、大体固まって安定しているので色々活用されて欲しいと思っております。色々アンカリングなんかするのには十分じゃないかな?
ノード数さえ維持できればそうそう消え去るものでもありませんしうまく生き残って貰いたいと思います。
NEM Japan: お忙しい中インタビューにお答え頂き、誠に有難うございます。また違うお題の時にインタビューのご協力お願いします。
God Tanu:こちらこそ私のようなスパム清掃員のおじさんにインタビューしてくださって光栄でございます。ありがとうございます。ですが私はただのおじさんなので技術クラスタ界隈の真剣に社会実装を目論んでいる人々にもスポットを当ててくださると嬉しいです。
NEMやSymbolは凄く現実的で実戦向きのプラットフォームです。プロダクトが世に出るスピードが異常なほど早いのはNEMファンの皆様なら既にご存知かと思います。
ですので是非その辺りの方々のインタビューをしてくださると一読者として嬉しいので何卒宜しくお願いします。日本刀の話が全くできなくてすいませんでした。スパム消しに行ってきます。
NEM Japanインタビューシリーズ第2回目に、長年に渡りNEMを応援されている、God Tanu氏にSymbolのローンチ間近になった今のお気持ちも聞ける、貴重な機会となりました。
次回も乞うご期待ください。
God Tanu Twitter : https://twitter.com/GodTanu2
NEM Japan テレグラム: https://t.me/nemjapan